株式会社MycoLabo(マイコラボ)

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明けましておめでとうございます。おかげさまでMycoLaboはサービスを開始してから3年が経過し、3回目となるどうぶつの真菌症統計を報告できました。ここまで支えていただいたみなさまには、心より感謝申し上げます。

動物の真菌症の疫学は国内だけでなく世界的にもほとんど調査されておらず、どんな動物からどんな真菌症が分離されるのか、手探りの状態からスタートしました。この3年間でデータが徐々に蓄積され、どうぶつの真菌症のアウトラインが徐々に明らかになってきています。

今回、2022.2~2025.12にご依頼いただいた339頭の検査のうち、データ利用にご賛同いただいた291頭から分離した326株についてデータを集計・解析したものを共有させていただきます。

 

|検査利用施設

過去3年間に弊社の検査をご利用いただいた施設は、動物病院83施設、大学8校、水族館5施設、動物園1施設、一般社団法人1施設でした。

犬や猫の症例では、二次診療施設からのご利用が多い傾向がみられました。一方、鳥類やエキゾチックペットに関しては、一次診療施設からのご依頼が主体となっていました。また、動物飼育施設においては、動物園よりも水族館からのご利用が多くみられました。

 

|検査した動物の種類

鳥類が最も多く、全体の約半数を占めました。しかし鳥以外の動物も増加傾向で、昨年は特に爬虫類の検査が増えました。

 

|検査した動物の性別

雄(雄+去勢雄)が多い傾向が認められました。

 

|検査した動物の病変部位

皮膚が最も多く、次いで呼吸器、消化器が続きました。

 

|動物種ごとの病変部位

まだ症例数が十分ではないため断定はできませんが、検体部位には種差がみられました。鳥類では呼吸器病変が多く、爬虫類およびげっ歯類では皮膚病変が多い傾向が認められました。

 

|検出された真菌種(総計)

同定された菌種名は、ご依頼いただいた検査の内容により様々な同定レベルが混在していることをご了承ください(遺伝子解析で同定、形態で同定、同定せずに酵母または糸状菌と報告したもの)。

属別の集計では、アスペルギルス属が最も多く、全体の約20%を占めていました。次いでカンジダ属(7.6%)、マラセチア属(3.7%)の順で多く認められました。

培養陰性例を除いた約45%は、これらの属には分類されない非常に多様な真菌で占められていました。
また、培養陰性例は全体の25%を占めており、陰性確認を目的とした検査を含めた培養陽性率は75%でした。

 

 

|検出された真菌種(動物種別)

鳥類ではアスペルギルス属が全体の32%を占め、ほとんどが呼吸器由来でした。猫ではMicrosporum canis、犬ではMalassezia pachydermatisが最も多く検出されており、犬猫では皮膚真菌症が多いことがうかがえます。また犬では Schizophyllum communeが2番目に多く検出され、犬は本菌感染症の好発動物である可能性があります。

爬虫類はNanniziopsis属が上位を占め、これらの真菌が国内でも広がっている可能性があります。また海外でカメレオンに集団発生を引き起こしているMetarhizium granulomatisが国内でも初めて検出され、こちらも注意が必要です。

 

 

|検出された真菌種(器官別)

皮膚由来検体では、Malassezia pachydermatisMicrosporum canis など、病原性が知られている真菌が多く検出されました。一方で、病原菌かどうかの判断が難しい真菌も多数認められました。今後、症例やデータを蓄積していくことで、これらの真菌の病原性が明らかになってくる可能性がありますが、現時点では、直接鏡検によって病変部で真菌の増殖が確認されているかどうかを踏まえて、検出された真菌の臨床的意義を判断することが重要です。

また、呼吸器由来検体ではアスペルギルス属が、消化器由来検体ではカンジダ属が多く検出されるなど、検出される真菌には器官ごとの傾向がみられました。

 

 

3年間の検査を通じて、真菌症に関するおおよその傾向は把握できてきましたが、依然として解明されていない点や課題も多く残されています。今後もさまざまな角度からどうぶつの真菌症に向き合い、「治る病気」へと近づけていくための一歩を、獣医師の皆さまとともに着実に積み重ねていければ幸いです。

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