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培養された真菌の薬剤感受性を調べます
Test Method

検査方法

培養された真菌の薬剤感受性を調べます

培養された真菌の薬剤感受性を調べます。

CLSI(Clinical Laboratory Standars Institute)の定める微量液体希釈法※に準拠し、以下の抗真菌薬の感受性を測定します。

感受性を測定する抗真菌薬は「プレート単位」でのご提供となります。薬剤を個別に選ぶことはできません。

「追加プレート」は、「基本プレート」をご選択いただいた場合にのみ選択できるオプションです。追加プレートだけのご利用はできませんので、ご了承ください。

【基本プレート】

  • ミカファンギン(MFG)
  • カスポファンギン(CAS)
  • アムホテリシンB (AMB)
  • フルシトシン(5-FC)
  • フルコナゾール(FLC)
  • イトラコナゾール(ITC)
  • ボリコナゾール(VRC)
  • ミコナゾール(MCZ)

【追加プレート】2025年6月より測定できるようになりました。

  • ポサコナゾール(POS)
  • ラブコナゾール(RAV)
  • イサブコナゾール (ISV)
  • ルリコナゾール(LUL)
  • テルビナフィン(TRB)

菌種によっては、一部CLSI法を改変して検査を行います。詳しくは「薬剤感受性試験の課題について」をご覧ください。

※酵母はCLSIのM27 Ed4とM27M44S Ed3、糸状菌はM38 Ed3とM38M51S Ed3に準拠

 
【検査の流れ】
 
薬剤感感受性
 
 
 
 
Report

報告

動物の真菌症では耐性と感受性を判定するブレイクポイントが設定されておらず、S(感受性)、I(中間)、R(耐性)での報告ができません。このため結果はMIC(Minimum Inhibitory Concentration:最小発育阻止濃度)で報告します。

薬剤感受性単体でご依頼いただいた場合、菌種については酵母または糸状菌と報告します。

報告書サンプル

MICの数値だけでなく、検査した抗真菌薬の濃度の中でMICがどこに位置するのか、視覚的にわかるような形で報告しています。

A~Hは抗真菌薬の種類を、1~11はその濃度を示します。真菌の発育が見られなくなる(低下する)最小の濃度のセルを緑色で示しており、この値を最小発育濃度(MIC)として報告します。

サンプル1:セキセイインコの口腔から検出されたCandida albicansの薬剤感受性。どの抗真菌薬にも比較的良好な感受性を示している。

セキセイインコの口腔から検出されたCandida albicansの薬剤感受性

単位(μg/mL)
MCFG:ミカファンギン、CPFG:カスポファンギン、AMPH-B:アムホテリシンB、5-FC:フルシトシン、 FLCZ:フルコナゾール、ITCZ:イトラコナゾール、VRCZ:ボリコナゾール、MCZ:ミコナゾール

サンプル2:サザナミインコの角結膜より培養されたFusarium solaniの薬剤感受性。アムホテリシンB以外の抗真菌薬に対する感受性が認められない。Fusarium属は多くの抗真菌薬に自然耐性を持つことで知られている。

サザナミインコの角結膜より培養されたFusarium solaniの薬剤感受性

単位(μg/mL)

MIC値が小さいほど、低い濃度で効果が表れることを意味し、より有効な薬剤である可能性があります。ただし抗真菌薬の種類により有効な血中濃度は異なりますので、薬剤間でMIC値を比較することは意味がありません。

薬剤感受性試験の結果はあくまで試験管内のものです。実際の患者さんの体内での効果は、投与経路や吸収率、組織移行性などの影響を受けます。抗真菌薬の選択には、MICだけでなくこれらも考慮して総合的に判断する必要があります。

こちらも合わせてお読みください
薬剤感受性試験の結果に基づいた抗真菌薬の選び方 3STEP

 

真菌の薬剤感受性試験の課題について

カンジダやクリプトコックス、アスペルギルスなどの主要な医真菌は、CLSIの定める微量液体希釈法(ここでは標準法と呼びます)で比較的安定して測定できますが、動物から検出される真菌は多様であり、中には標準法では測定できないものもあります。

例えばマラセチアは標準法の培地では発育しないため、特別に調整した培地を使います。一部の糸状菌は標準法で使用する分生子を形成しないこともあります。発育の遅い菌は判定までの時間を長くとったり、菌種によって培養温度を調整することもあります。

MICのエンドポイント(どこをMICとするかの基準)も、100%発育阻止がスタンダードな細菌に対し、真菌は100%発育阻止、80%発育阻止、50%発育阻止と菌種や薬剤によって異なります。まだ研究レベルで測定方法が標準化されていない菌種も多くあります。また、動物ではMICと臨床の相関について調べられていないためブレークポイントが設定されておらず、耐性や感性の判定ができません。

上記のような多くの問題点があるため、獣医師が商業的に利用できる薬剤感受性試験はカンジダ、クリプトコックスに限定されていました。しかしこれらの菌種以外が起因菌となることも多々あります。いまだ課題の多い真菌の薬剤感受性試験ですが、情報の乏しい動物の真菌症と戦う上で役立つ情報をひとつでも多く獣医師に還元したいという思いから、菌種を問わない薬剤感受性試験をご提供しています。

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