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ハリネズミは皮膚真菌症が非常に多いことで知られています。針のせいでお手入れが行き届かないからでしょうか、ハリネズミの針を培養するといろんな真菌が出てきます。

今回、このハリネズミの皮膚に感染しているTrichophyton erinaceiという真菌が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を生み出したことを突き止めた論文が発表されました。人類が抗生物質を使い始めるもっと前から、耐性菌は存在していたようです。

耐性菌の出現は抗生物質の臨床使用よりも古い
2022年2月3日 Nature 602, 7895

最初の抗生物質、ペニシリンはアオカビ(Penicillium)から分離されたことは有名ですが、アオカビは何も人のために抗生物質を作っていたわけではなく、細菌との生存競争を生き抜くための武器として作っていました。

ハリネズミの体表でも、カビと細菌が陣取り合戦をしていて、カビが細菌を制するために抗生物質を出す→それに耐える細菌だけが生き残るという関係の中で、耐性菌が生まれたようです。

生き物の体には、皮膚や腸管をはじめとしたいろんな場所にいろんな微生物が住んでいて、けん制したり、協力したりしながら必死に生きてる様子に思いを馳せた論文でした。

 

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