2026年6月13日に韓国ソウルの建国大学で開催された、第32回韓国医真菌学会学術大会に参加してきました。
韓国医真菌学会(Korean Society for Medical Mycology: KSMM)は1994年に皮膚科医が中心となって創立された学会ですが、現在はそれ以外の医真菌領域にも裾野を広げています。
今回の講演で特に印象に残っていたのは、ゲノムとアミノ酸配列をAIに解析させるgLM・PLMという手法です。細菌やウイルスの分野ではすでに行われている方法のようですが、真菌ではまだ見たことがなく、とてもワクワクしました。
今回は題材としてTrichophyton属とCandida aurisの分類が行われ、既存の分類と一致することが確かめられていました。今後さらに研究が深まっていけば、病原性や耐性の予測などに発展することが期待されます。
10年くらい前に犬の便のメタゲノム解析をしていたのですが、データの量に圧倒されて手も足も出ないような感覚があったのを覚えています。パイプラインを使った基本的なデータは何とか出したものの、せっかくのデータを存分に生かすことができなかったという忸怩たる思いがあります。
時は流れ、これからはAIの力を借りてNGSのデータをより深く解析できるようになるかもしれない、という希望を感じる発表でした。
中国北京大学の宋营改先生によるTrichophyton mentagrophytes/interdigitale complexの講演も、ゲノムや感受性について大規模に調査されており、やはり真菌もゲノム解析の時代なのだなと痛感しました。私も重い腰を上げて、Linuxの黒い画面と向き合わねばと思わされた学会でした。
来年2027年は、8月に第13回International Mycological Congress(IMC13)、11月にAsia-Pacific Society for Medical Mycology(APSMM)と、真菌学的にとても重要な国際学会が相次いで開催される予定です。しばらく韓国から目が離せないようです。