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犬猫の普段の診療の中で問題になるのはほとんどが皮膚糸状菌なので、ダーマキットなどで確認できれば、同定や薬剤感受性を測定せずにイトラコナゾールを投与するという流れでも大きな問題はありません。

しかし、その他の真菌の場合、種名を同定したり薬剤感受性を測定しないで治療に臨むと、効果のない抗真菌剤を長期間使ってしまったり、抗真菌剤が効かない菌種で外科的な切除が必要だったのにタイミングを逃してしまう等のリスクがあります。

次の表は、様々な酵母の薬剤感受性を示したものです。同じカンジダ属の中でも、種によって薬剤感受性は異なっていることがわかります。Candida albicansによく使われるフルコナゾールですが、同じカンジダ属の中でもよく効くものもあれば、耐性を持っているものもあります。

 

Int J Antimicrobe Agents 2017; 50: 599-606.

※この表でイトラコナゾールがないのは、人医療では酵母の治療にあまり使われないからと思われます。イトラコナゾールはケラチンの蓄積があるため皮膚真菌症にはメリットがありますが、その他の種類・部位の真菌症についてはイトラコナゾールより副作用や効果の点で勝る抗真菌薬が多く存在します。

 

このように治療に大きく関わるので、同定と薬剤感受性はとても大事です。しかし菌種を問わず薬剤感受性を調べることができる検査会社は獣医療には残念ながらありませんでした。

また、現在獣医師が利用できる真菌同定検査の手法は様々であり、価格の低い検査では、酵母を呈色培地に接種して発育したコロニーの色で同定することもありますが、この方法だと誤同定も多くなってしまいます。

下の写真はカンジダ用の呈色培地に3種の酵母を接種したものですが、Candida albicansTrichosporon asahiiはどちらも緑色の色調を呈し、区別が困難です。T. asahiiはアムホテリシンBが効かないなどC. albicansとは薬剤感受性が異なるため、この鑑別はしっかり行う必要があります。(余談ですが、マクロラブダスの治療のためミカファンギンを長期投与されていた鳥では、ブレイクスルー感染症としてTrichosporon見られることがあります。)

またこの写真にはありませんがCandida glabrataは紫色の色調を呈し、Cryptococcus neoformansとの鑑別が難しいこともあります。このように、呈色培地による同定には限界があります。

MycoLaboでは酵母については生化学検査に基づいて同定を行います。生化学検査で同定できない場合は、遺伝子検査を行うことも可能です。

248 モダンメディア55巻9号2009[臨床検査ひとくちメモ]山口 英世先生の連載より引用

 

微生物検査の中でも、真菌検査は特に検査機関によるばらつきが大きいようです。残念ながら「真菌検査に出してもどうせ生えない」という声も多く聞かれます。MycoLaboではお伺いした症状をもとに起因菌を予測しながら、複数の培地や温度帯で培養することで、培養成功率を高めています。菌が死滅していて培養が難しい場合は、検体から直接真菌の遺伝子を検出することもできます。そこに真菌がいる限り、様々な方法を駆使して検出を試みます。

利便性や価格など、検査を選ぶ際の基準は様々だと思いますが、クオリティをお求めの方は、ぜひMycoLaboの真菌検査をご利用下さい。価格と精度のバランスをとりつつ、ベストなものをご提供しています。

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